ダ・ヴィンチ

手術支援ロボット:ダ・ヴィンチとは?

 

ダ・ヴィンチはアメリカで開発された手術支援ロボットです。ロボット支援内視鏡手術では、ロボット自体が手術をするわけではありません。医師は手術用ロボットダ・ヴィンチを操作し、遠近感のある拡大された3次元画面を見ながら細かく繊細な手術を行うことが可能です。国内では2012年の前立腺全摘除術が保険収載されて以降、多くの手術が標準術式として普及しています。現在、泌尿器科のロボット支援腹腔鏡手術では前立腺全摘除術、腎部分切除術、膀胱全摘除術が標準術式として普及しており、2020年4月からは腎盂形成術、仙骨膣固定術が新たに保険収載されました。
筑波大学附属病院では前立腺全摘除術、腎部分切除術、膀胱全摘除術、腎盂形成術の4術式を行っています。

ロボット支援内視鏡手術の特徴

 

■繊細な手技が可能
従来の開腹手術や腹腔鏡手術と比べ、細かく繊細な手技ができることが大きな特徴です。これにより、従来の手術では困難であった手技が可能となりました。

■体への負担が少ない
通常の開腹手術と比較し、傷が小さいことが大きな特徴です(4~7か所の1cm程度)。これにより、皮膚や筋肉を切開した痛み軽減され、出血量は顕著に少なくなり、術後の体力回復も早くなったため、退院までの期間が短くなりました。

ダ・ヴィンチ手術の対象となる疾患

■前立腺全摘除術
前立腺に限局した前立腺癌が適応になります。
緑内障や腹部手術の既往がある場合等は適応とならない場合があります。
他の主な治療法:開腹手術、放射線・陽子線治療、薬物治療

■腎部分切除術
転移のない腫瘍径4cm程度までの腎細胞癌が適応になります。
腫瘍の位置、透析など既往症等により適応とならない場合があります。
他の主な治療法:開腹手術、焼灼・凍結治療、薬物治療

■膀胱全摘除術
転移のない進行性膀胱癌が適応になります。
病気の状態や既往症等により適応とならない場合があります。
他の主な治療法:開腹手術、放射線・陽子線治療、薬物治療

■腎盂形成術
腎盂尿管移行部通過障害が適応です。
病気の状態や既往症等により適応とならない場合があります。
他の主な治療法:腹腔鏡手術

手術に対する心配

当院で施行している4術式は保険収載されており、通常の医療保険が適用されるため患者さんの自己負担は1~3割となります。
膀胱全摘除術と腎盂形成術は腹腔鏡手術と同じ手術費用となりますが、前立腺全摘除術と腎部分切除術は腹腔鏡手術に比べ約15~18万円(3割負担であれば約5~6万円)高額となります。

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