泌尿器科の全分野において専門的な診療を行っています

代表的な疾病

精巣腫瘍

精巣腫瘍(癌)とは?

精巣には種々の良性及び悪性腫瘍が発生しますが、大部分が精子を作る精母細胞から発生する悪性腫瘍(胚細胞腫)であるため精巣癌(古くは睾丸腫瘍または癌)とも総称します。主に20~30歳代の若年男性に発生する悪性腫瘍で、年間発病率は約10万人に1人とされる比較的稀な疾患です。

精巣腫瘍では次の2点が重要です。

  • リンパ節や肺、その他の臓器に転移していても抗がん剤を使った化学療法と手術を適切に組み合わせることにより約9割の患者さんで治癒が可能です。
  • 比較的、稀な疾患であるため特に転移.進行例では本疾患の治療経験が多い医療施設での治療が望ましいとされています。
精巣腫瘍の症状

多くは精巣(睾丸)局所の腫れで気付かれます(「タマ」が腫れた状態)。あまり痛くないのが特徴ですが、ある程度の痛みや違和感もあります。「タマ」が腫れる疾患としては痛みのない「陰嚢水腫」や痛みや熱を伴う「精巣上体炎」などの良性疾患の方がより一般的です。ただ、自覚症状だけでは区別が難しく「タマ」に上記の異常を感じた場合は泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。通常は、その日のうちに診断可能です。

  • 精巣腫瘍は転移していても治癒可能ですが、転移しない状態(病期1)で治療を開始すればより負担が少なく、より高率に治癒が可能ですので早期受診が重要です。
精巣腫瘍の治療

セミノーマとセミノーマ以外(非セミノーマ)で治療が異なります。病期1の場合、高位精巣摘除術のみで経過観察する方法や再発予防を目的とした治療(セミノーマでは放射線治療、非セミノーマでは化学療法)を行う場合もあります。転移例ではセミノーマの一部では放射線照射を行いますが多くの場合、化学療法を主体とした治療が必要になります。転移例は国際分類法(IGCCC)により予後良好群、中間群、不良群の3群に分類されます。

  • 転移例ではIGCCCに応じて、化学療法(及び手術)を行うことが重要です。
筑波大学附属病院における精巣腫瘍診療の特徴

開設以来の症例数は転移例だけでも当科単独で約130例あり、日本有数の治療経験を有しております。最近では、地域がん診療拠点病院をはじめとする基幹関連4施設との連携による診療体制を強化し、2000年から2010年の間に5施設全体で88人(うち筑波大学では59人)の転移期精巣腫瘍の患者さんを治療しています。これらの患者さんの5年生存率は94%と高い実績を挙げています。なかでも筑波大学附属病院は新規抗がん剤や大量化学療法などの治療が必要な予後不良群への診療体制を強化した中核施設として機能しています。治療を行った後の腎機能をはじめとする長期健康管理も積極的に行っており、また治癒後に挙児を希望する患者さんでは、関連施設との連携のもと、希望により精子の凍結保存も行っています。

  • 筑波大学附属病院は転移期精巣腫瘍の中核治療施設です。

患者の皆様

医療従事者の皆様

泌尿器科の全分野において専門的な診療を行っています