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『特定非営利活動法人筑波泌尿器科医療支援機構』設立に寄せて

近年、わが国は社会の高齢化や生活習慣の欧米化等の影響により、泌尿器系疾患の罹患数が増加しています。特に前立腺癌は欧米において男性の悪性腫瘍罹患率が最も高い疾患であり、わが国でも数年後には第一位になると予想されています。また、悪性腫瘍をはじめ、前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害、尿路性器感染症、不妊症、尿路結石症、腎不全等、泌尿器科が扱う疾患は多岐にわたります。このような泌尿器系疾患の罹患数増加と、多岐にわたり複雑化する泌尿器系疾患に対応するためには、専門性を有する泌尿器科医の増員・育成を行うとともに、地域医療に関わる人々の連携を強化することが極めて重要です。

しかしながら、わが国では泌尿器科専門医の絶対数が少なく、特に茨城県は人口あたりの泌尿器科医数が全国47都道府県の中で46位という現状です。このような状況では、泌尿器系疾患に悩まされる患者さんに対して万全な診療を行うことが困難であり、地域医療との連携構築も図りづらくなるものと懸念されます。

そこで、私たちは「特定非営利活動法人筑波泌尿器科医療育成支援機構」を設立し、専門性を有する優れた泌尿器科医の増員・育成を推進するための幅広い支援を行っていくこととしました。

具体的な活動内容としましては、診断から治療まで一貫して診ることができる泌尿器科専門医の増員と若手医師の育成を図るため、主に研修支援を目的とする研究会を開催し、泌尿器系疾患の学術情報の提供等を行います。また、関連分野の連携強化を図るとともに、広く社会に対しても泌尿器系疾患に関する啓蒙活動を行うことで、泌尿器系疾患に係る医療の充実と国民の健康増進に寄与していく所存です。  

2020年8月吉日
特定非営利活動法人
筑波泌尿器科医療育成支援機構
代表 武島 仁

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