筑波大学腎泌尿器外科診療グループ
腎臓の上側に背中側にある3cm前後の小さな臓器です。左右に一つずつあります。ステロイドホルモン(体調維持に不可欠です)やカテコラミン(血圧の維持に不可欠です)といったホルモンを作っています。
副腎のできもの(腫瘍)のことを副腎腫瘍とよびます。 画像検査で偶然みつかる(副腎偶発腫瘍)こともありますし、ホルモンを過剰に分泌する腫瘍であれば、症状をもとにした検査の結果、腫瘍を指摘されることもあります。 泌尿器科では主に外科的切除(手術)が必要な症例を担当します。
原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫といったホルモン活性を有する腫瘍(機能性副腎腫瘍)では、手術で切除することが勧められます。 ホルモン活性を持たない非機能性副腎腫瘍の場合、一般的には大きさが4cmを超えた場合に切除が勧められます。
副腎皮質から発生した癌を副腎皮質癌(副腎癌)とよびます。手術による切除の他、抗癌剤治療を内科の先生と連携しながら行っています。
他の臓器を原発とする癌が副腎に転移することがあります。診断や治療に必要な場合に外科的切除を行うことがあります。
現在、筑波大学附属病院泌尿器科では大部分の副腎腫瘍を患者様にとって負担の少ない「腹腔鏡下副腎摘除術」で治療しております。なお、上記の治療方法はあくまでも目安であり、患者様個々の病状に最も適した治療方法を泌尿器科の手術検討会で決定します。なお、切除不能あるいは転移のある副腎癌や悪性褐色細胞腫に関しましては抗癌剤治療専門の施設にご紹介する場合もあります。